
私は山野を当てもなく散歩するのが好きです。その時に出会った草花をスケッチして絵に仕上げてきました。それは、一つの花を丹念に描く「ボタニカルアート」と言われるものです。しかし、今回は、彼らが生きている背景を描きたくて「生態画」にチャレンジしました。いずれもどこかで見かけられる「ありふれた風景」ではありますが、見ているあなたに「懐かしい風景だな」と思っていただければ幸いです。
田中基信
「奇跡の楽園」について
サギソウを中心に小さな黄色い花がミミカキグサ(食虫植物の仲間)、その右にコケオトギリ、そして水が染み出しているあたりに真っ赤なハッチョウトンボを描いています。どれもこの湿原で見つけた生き物たちです。人の目に触れない所で昔ながらの生活を営んでいる姿が清々しく感じました。