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説教要約2025/3/23「神の御言葉により立つ教会」

「神の御言葉により立つ教会」

アモス書9:11~15

使徒言行録15:12~21

 

 このエルサレム会議は、当時の教会が「どの方向に進んでいくか」との議論の場でもありました。ここに出席した人たちは、それぞれ自分自身の主観や体験に基づいて発言したことでしょう。その長い議論の転機は、旧約聖書のアモス書の預言の言葉によって起こりました。ヤコブが語ったアモス書の言葉を聞いた人々は、神の意志がどういうものであるかを気づかされていきます。そして、この会議では「異邦人は救われるためにユダヤの律法を守る必要はない」ことが結論付けられました。

 

 これは私たちが、クリスチャンとしての自分人生の生き方に迷った時に、進むべき方向を決める方法であるようにも思えます。その最後の決め手も聖書の御言葉です。自分に与えられた神の言葉を信じて、その言葉が指し示している方向性に生きていこうと、一歩踏み出してみることに私たちは導かれます。

 

 ところで、せっかく決まった結論でしたが、律法を重んじるユダヤ主義者は不満を感じていたことでしょう。それに気づいたヤコブは、彼らが大切にしている律法に対して「愛ある配慮」をするように訴えました。そして皆はそれに納得しました。

 この訴えの根底には、ヤコブが考えた一番大切なことがありました。それはユダヤ人と異邦人が共に主を礼拝し、違う者同士が皆一緒になって教会を建て上げていくことを最優先することでした。会議に出席した人々は、聖書の言葉によって神の意志を知り、それを実現するための具体的な方法をも見つけることができたのです。

 

 これは現代の私たちが教会を建て上げる時に注意すべきことなのかもしれません。私たちの会議も本当に大切なことを安易に多数決で決めるべきではありません。私たちも聖書から啓示をいただいて、教会を建て上げていくために最優先すべきことを求めましょう。共に生きていくための「愛ある配慮」を大切にしていくのです。

 牧師 : 宮本幸男

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