
「新しき出エジプト」
エレミヤ31:31~34
ルカ22:14~23
ユダヤ人にとって「過ぎ越しの食事」とは、出エジプトの救いを記念する食事でした。半日後に十字架につこうとするイエスが、死ぬ前にどうしてもしたかったことは、弟子たちと過越の食事を共にすることでした。この命がけの食事を通じて、イエスは弟子たちに「この後にどんな困難があろうとも、必ず神の救いを見る」ことを信じさせようとさせたのです。
そして、この食事は2千年経った今でも聖餐式となって続いています。ですからこの食事は、今も生きておられ共におられるイエスが、私たち一人ひとりと、どうしてもとしたいと願われていたことでもあるのです。
この時、イエスは弟子たちを信頼しましたが、その信頼が裏切られることになりました。それでもイエスは、今でもすべての弟子たちを信頼して「どうしても過ぎ越しの食事を共にしたい」と命がけの食事に招き続けられています。なぜならば、私たちが神に会おうと思う以上に、イエスはへりくだってくださって、私たちの神になりたいと願われているからです。
けれども、せっかく招いていただいていても、私たちは自分の頭の中で「自分はこの聖餐を受けるのにふさわしくない、もっと頑張らなければ自分は信頼されるはずはない」と思い違いをしていることはないでしょうか。
私たちが真っ先に信じるべきことは「私は神に愛され、信頼されている」ということです。だからイエスの招きに応答し、ふさわしいままで聖餐に与りましょう。パンとぶどうジュースに込められた「イエスの愛と信頼」に触れるならば、私たちの疲れた命は見事によみがえっていくのです。そこから新しい勇気と希望をいただいて、神が備えてくださった救いの道に一歩踏み出して行こうではありませんか。
牧師 : 宮本幸男