説教要約2025/1/12「主の御心であれば」
ヤコブの手紙4:1〜17
私たちは日々の生活の中で、さまざまな欲望や対立に直面しています。職場での競争や、家庭内での争い、友人との対立など、欲望と争いは私たちの生活の一部となっています。では、これらの欲望や対立はどこから来るのでしょうか?そして、どのようにそれらを克服することができるのでしょうか?
ヤコブの手紙4章1-3節は、私たちの争いと戦いが体の中で戦っている欲望から生じると述べています。この欲望は、自己中心的な動機から来ており、正しい理由で求めていないために満たされません。ルネ・ジラールは、人間の欲望が他者の欲望を模倣することで生じると考えました。つまり、私たちは他人が欲するものを見て、それを自分も欲するようになります。この模倣が競争と対立を引き起こし、社会の争いの原因となるのです。
ヤコブの手紙4章7-8節では、神に従うことの重要性と、神に近づくことで私たちが平和を得ることができると述べています。悪魔に立ち向かい、神に従うことで、欲望と対立を克服することができるのです。
ルネ・ジラールは、模倣による対立を克服するために自己中心的な欲望を超える必要があると考えました。これは、私たちが、模倣にするべき対象をイエスキリストにすることによって乗り越えることができます。私たちは、他者を真似て生きる生き物です。学ぶは、真似るが語源であるとよ私たちの間私たちの間に戦いや争いを起こす欲望もまた、真似ることで学んでしまいます。
私たちは学ぶべきは、イエス・キリストに倣う生き方です。主イエスの生き方は、十字架上の、最後の瞬間まで神に従う「父よ、私の霊を御手に委ねます」という生き方です。ヤコブの手紙とジラールの理論が示しているのは、欲望と争いの本質が私たちの模倣にあるということです。私たちが他者の欲望を模倣することをやめ、イエス・キリストに従うことが平和への道に繋がるのではないでしょうか。
神学生:坂本子龍