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説教要約2024/12/5「きみは愛されるために生まれた」

 

「きみは愛されるために生まれた」

サムエル記上16:1~7

ルカ2 :1~7

 

  ヨセフとマリアは住民登録をするため、ナザレからベツレヘムへと約140キロの旅をしました。しかし、混雑するベツレヘムには二人の泊まる場所はなく、身重のマリアは家畜小屋の片隅で、不安の中での出産をむかえます。けれども、二人にとっての「不安な場所」は、イエス・キリストの誕生の瞬間、「喜びと希望の溢れる場所」に変えられていきました。

 

 このキリスト誕生の事実は、私たちに心の「居場所」を意識させます。私たちは、自分が誰からも愛されていないように思える時に、自分の居場所がどこにも存在しないような不安を感じます。そして自分が全く価値のない存在であるかのように思えてきます。しかし、人の価値とは、その人が神に愛されているということです。私たち一人ひとりは、神に愛されているし、神の造ったすべてのものから愛されているのです。実に、私たちは愛されるためにこの世界に生まれてきました。

 そう信じる時、自分の心の内にキリストが共に泊まってくださる「場所」が生まれます。そこがいくら不安に支配されているような場所であろうとも、キリストによって「希望と喜びの溢れる場所」に変えられていくのです。

 

 そして、この世界は居場所を失った人々がさまよう荒れ野です。ある意味教会は、居場所の無い人たちのために神が備えてくださったオアシスです。私たちもそこでキリストの愛を知り、受け入れられて、自分の居場所に気づいたのではないでしょうか。教会に来ればキリストがつくってくださった自分の居場所があり、キリストの愛に触れることができました。そして、自分は「愛されるため生まれた」という事実に気いた人も多くいたことでしょう。

 

 今年もその恵みに感謝して、私たちの心の真ん中に御子イエス・キリストに生まれていただきましょう。誰かを愛し、誰かの居場所となって、その人に喜びと希望を与えるため、自分の心を神の愛の溢れる場所に変えていただくのです。 

牧師:宮本幸男

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