· 

説教要約2024/12/8「生き方で示しなさい」

 

  言葉は非常に抽象的なものです。この難しい概念を私たちは、記号接地(言葉の意味を真に理解するには、現実世界から受け取る具体的な情報について、身体的な感覚を持つ必要があるという考え)をして理解していきます。

 

 「記号接地」の代表例として、ヘレン・ケラーは、冷たい水に触れながら「water」という指文字を教わったとき、初めて、その文字が「手のひらに流れる冷たい液体」を意味することを理解し、存在する対象それぞれに異なる名前があることを理解しました。また私たちは幼い子どもに対して「オノマトペ」を用いて話しかけますが、これも音の感覚が、現実世界と言葉を結び付け、「記号接地」しながら言語を習得していくことになります。

 

 言葉より、神様はさらに更に抽象的だと理解されています。この神様という抽象的な存在を身体的に理解する為には、ヘレンケラーにとっての「water」、赤ちゃんにとっての「オノマトペ」のような記号接地が必要になってきます。では、神様と私たちの身体をどうすれば結びつける、「記号接地」することができるのでしょうか。

 

 「あなたがたの中で、知恵があり分別があるのはだれか。その人は、知恵にふさわしい柔和な行いを、立派な生き方によって示しなさい。」私が教会で共に礼拝の時を過ごしてきたのは、この生き方を示した人たちで、そのような人たちと共に生きる、関係の中で神様をリアルに受け取りました。私たちは、信仰を持つ時に、抽象的な概念をそのまま理解するのではなく、身体的な関係の中で「記号接地」する。柔和な生き方を実践する人々との関係の中で神様をリアルに感じ取り、信仰に生きることができるのです。クリスマスを待ち望むアドベント、私たちもまた信仰の先輩の信仰に従い、柔和な生き方を示したいと思います。

神学生:坂本子龍

HOME