「若く新しい魂にされて」
ヨブ記19:21~29
使徒言行録13 :4~12
バルナバとサウロは遠いローマ世界に向けての伝道旅行に出発しました。ここに聖霊と悪霊との戦いが展開されて行きます。その戦いとは、一人の人間の魂を神が勝ち取るのか、悪魔が勝ち取るのかの戦いでした。
最初の宣教地のキプロス島でも戦いがありました。ローマから任命された地方総督セルギウス・パウルスは、二人を招いて神の言葉を聞こうとしました。それに反応した魔術師エルマは、支配していた総督を奪われる脅威を感じて妨害工作を始めます。しかし、彼はサウロの宣言によって目が見えなくされてしまいました。
ところで、この総督が神の言葉を聞こうとした詳しい理由がここに書かれていません。聖書はただ、彼のことを「賢明な人物」としか書いていないのです。しかし、その直前の12章の最後に書かれている、ローマからユダヤの国守に任命されていたヘロデ王の物語と対比して読むことによって、その理由が分かるような気がします。
ヘロデ王は権力を持つことによって、自分が何か特別な人間であると思い、心の目が見えなくなってしまっていました。それによって最後は悲惨な人生の終わり方をしてしまいます。またこの総督も心の目が見えなくなっていました。総督も任命されたローマから高い評価を受けるために、魔術師を使ってまで人を操作し、支配していくような生き方しかできなかった人だったのです。
けれども、この総督は賢明であったからこそ、その生き方に疑問を持ち、謙遜になって真理に目覚めることができたのでしょう。総督は聖霊に満たされたバルナバとサウロに出会うことによって、真理に目が開かれ、新しい魂になれました。総督は聖霊に支配され、イエス・キリストの福音に生きる魂として、神に勝ち取っていただいたのです。
私たちも聖書の御言葉を聞くごとに、真理に目覚め、若く新しい魂に作り変えていただく恵みをいただいています。これからも自分の心の目を開いていただいて、神の望む新しいステージへと導かれ続けていきましょう。
牧師:宮本幸男
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