「つなぎ合わせる糸」
コヘレト4:9~12
使徒言行録13:1~3
アンティオキア教会は、約6年間のバルナバとサウロの指導によって、質的にも量的にも大きな成長を遂げました。この教会には、人種や信仰の経緯の異なる5人の預言者や教師が存在していました。また、信徒においても、ユダヤ人や様々な人種の人々が混在していました。彼らの価値観は大きく違っていたことでしょうし、たとえ同じ人種であったとしても、個人個人の考え方は異なっていたはずです。
そのような教会が、共に生き、大きく成長していくことができたのは、彼らが共に集まって主を礼拝したからでしょう。その中でたとえ違いがあったとしても、お互いが神に愛されている同じ人間であることを、聖霊に告げられ、知っていったのだと思います。また、彼らの一人ひとりが、教会の中での奉仕の仕事を、自分の賜物によって担っていったことも、教会がさらに上の段階に引き上げられる要因となったことでしょう。
一人ひとりの信者は一枚の端切れにすぎません。しかし、自分をキリストの一つの体の一部として、自分に決められた奉仕をしていった時に、それぞれ違った端切れはつながり合うことができます。そのようにしてアンティオキア教会も成長していったのではないでしょうか。今の時代においても、一人ひとりの賜物を用いての奉仕によって、つながり合って生きる教会が成長していきます。
そして、教会の一人ひとりを強くつなぎ合わせる決め手となるのが、主イエス・キリストへの信仰です。主に信頼する時に、主は端切れをつなぎ合わせる強い糸になってくださるのです。教会に集められた一人ひとりが違うことは、組織として考えれば不利なことかもしれません。けれども、主が糸になり、つなぎ合わせてくださることによって、その違いを逆に生かすことができるのです。だから、私たちは一つのゴールに向かう仲間として、どんなことがあっても主に信頼し、さらに主に強くつなぎ合わせていただくことを願いましょう。
牧師 : 宮本幸男