「天国へのお引越し」
哀歌3:22~24
ヨハネ6:34~40
この世界に変化しないものなどひとつもなく、死もそのひとつです。亡くなられた方々は、生きた時間に長い短いがありましたが、いろいろな変化を受け入れて、天の御国へとお引越しをしていきました。私たちは毎日の忙しさのために、その方々を忘れてしまっていることがあるかもしれません。しかし天上の方々は私たちを片時も忘れることなどありません。父なる神のすぐそばで、いつも私たちのためにとりなしの祈りを続けています。
そのように天の世界と私たちの世界を結ぶ道となってくださったのが御子イエス・キリストです。キリストは十字架の上で死んで墓に葬られましたが、復活し、天に上り、今も生きておられます。そして、父なる神の右の座でとりなしの祈りをする中、天上から私たち一人ひとりを完全に愛してくださっているのです。
天上に移られた方々は、かつてイエスを救い主と信じて洗礼を受けた時に、キリストと共に葬られ、永遠の命を生き始める者となりました。今や天上において、何にも縛られることのない自由の身となっています。そこでキリストと共にとりなしの祈りをするなかで、完全に私たちを愛しているのです。そうであるならば、私たちは誰かを完全に愛するために死んでいくのかもしれません。
私たちは多くのとりなしの祈りに支えられ、やがてこの方々と同じ家に引っ越して、完全な家族として永遠に生かされることでしょう。その時をただ待ち望み、その場所だけを見つめて、自分に与えられる人生を生きることができるならば、私たちはどんな困難や試練をも乗り越えることができるのです。
けれども、私たちはまだまだその時と場所を信じることのできない弱い者です。だからこそ、天上にいる方々の祈りに支えられていく必要があります。「どうぞ、これからも私のために祈っていてください」と祈る中で、主イエス・キリストと天上の方々とにつながり続けましょう。
牧師 : 宮本幸男