「必ず救い出されます」
ダニエル書6:1~29
使徒言行録12:1~17
教会が誕生して十数年が経ち、教会は異邦人信者が増えていく時を迎えていました。そこにユダヤ人の宗教的感情を利用した政治権力からの迫害が起こります。そしてペトロは捕らえられ、牢に入れられて殺されようとされました。教会の人々は心を一つにし、ペトロの救いを熱心に祈り続けていましたが、その中には彼の救いに疑いを持って祈っていた人も多くいたことでしょう。けれどもペトロは天使によって無事解放されていくのです。
私たちもまた疑いながら祈る不信仰な信仰者です。しかし、そのような私たちの不完全な祈りでも、神は受け取ってくださることは驚くべき恵みです。神はなによりも、私たちが他の人のために祈る祈りを喜んで聞いてくださり、ご自分の御業を行おうとしておられるのです。
一方、捕らえられたペトロは、突然現れた天使に導かれて牢を脱出することになります。しかし、彼はまるで夢でも見ているような感覚の中にいて、救いの力の働きに気づくことができませんでした。天使がいなくなって初めて我に返り、天使が自分を救い出すために主から遣わされたことに気づきます。
これも私たちの姿です。私たちも自分に神からの救いの力の働きが、すでに起こっていることになかなか気づくことができません。なおも不安を抱えながら生活してしまうのが私たちです。けれども、ある時に自分が見事に救い出されたことに気づき、安心できずにいた過去を反省させられるのです。
神が送ってくださる救いの力の働きを、私たちはいつも感じていることが大切です。私たちがいかなる困難の中にいようとも、神からの「大丈夫だ、私はあなたを必ず救いだす」とのメッセージを、いつも祈りの中で聞かせていただきましょう。私たちのすぐ傍にいて、その言葉を伝えようとしている天使の働きを常に感じることができるよう願いましょう。
牧師 : 宮本幸男