「事を行わせてくださる神」
フィリピの信徒への手紙2:12~18
フィリピ人の手紙、喜びの手紙、といわれている。しかし、実はこの時のパウロ、喜べる状況ではなかった。牢獄に捕らえられていた。獄中にあったパウロが私達に求めていたことは、私達が従順になり、救いを達成する。主に従い通すことであった。
私達、現状を見れば、つぶやきたい、疑いたい、そのような時がある。けれども、そんな否定的な中でも神様があなたがたの内に働いて、御心のままに事を望ませ、事を行わせてくださる。現状を見て神を否定するのでなく、神は良くしてくださると信じる側にたって、神に信頼する生き方をするものとして歩みなさい。そうすることで私達は、よこしまな曲がった時代の中で、非のうちどころのない神の子として、世にあって星のように輝き、命の言葉をしっかり保つでしょう。
パウロとシラス。伝道旅行の際、フィリピの街で、占いをする女にとりついていた悪い霊を追い出した。この女の主人は、金もうけの望みがなくなり、パウロ達を捕らえ、鞭打ち、牢獄に捕える。
その状況下で真夜中、パウロ達が賛美を歌い神に祈っていると、ほかの囚人たちはこれに聞き入り、彼らの心に影響を与えた。その後、大地震が起こり、牢の土台が揺れ動き、牢の戸がみな開き、すべての囚人の鎖も外れてしまった。けれど囚人たちは逃げ出さず、その場にとどまっていた。
囚人たちがおとなしくしている状況に驚いた看守は、パウロ達が彼らの心を変えたとわかり、彼に救いを求めた。
地震が起こる。土台が、全てが揺れ動く。私達も震災や台風で知ったように、建てられた物すべてが揺れ動き、永久に続くものなどない。不安なことがあれば、病気になれば、心も揺れ動く。目に見えるものも見えないものも揺れ動く世界。けれど動かないものがある。祈りにこたえる神。神の命の言葉は滅びることはない。この方に信頼して歩みたい。
私自身もパーキンソン病となった。はっきりするまで不安な時を過ごした。しかし、その中でみ言葉を通し、賛美を通して平安を頂いた。試練の時はそれでも主を確かに感じる幸いな時でもある。
活けるキリスト一麦西宮教会牧師 : 坂口将人