「アレが来る前にするべきこと」
列王記下6:21~33
使徒言行録11:27~30
もともとエルサレム教会にいた預言者たちは、ある時に約500㎞離れたアンティオキア教会に下って行きました。その一人であるアガポは、預言の中でローマ世界全体に大飢饉が起こることを預言します。神はその預言をアンティオキア教会の人々に与えることによって、エルサレム教会を支援するよう導きました。しかし、単に未来の状況を教えるだけではなく、警告をする中で災難に備えさせ、災難の上にもっと大きな祝福を与えようとされたのです。
ところで、1か月前に宮崎県沖の日向灘で地震が起こり、「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。その注意情報を聞いて巨大地震への備えをした人も多くいたことと思います。今の時代ではかつての預言者のような働きをする人はいないのかもしれません。しかし、神は必ず起こる災害に備えるようにと、いろいろな手段を使っていつも私たちに語り掛けてくださっているのではないでしょうか。その備えは物質的なこともあれば、こころの面の準備もあることでしょう。
その巨大地震が現実に起こる時、地面や建物が激しく揺さぶられる光景と、破壊される物音が響く恐怖の中で、私たちは一瞬たじろぐことでしょう。けれども、イエス・キリストの十字架による救いの約束を信じるがゆえに、神と私たちとの関係は決して揺れ動くことはありません。激しい揺れの中で、与えられた約束の御言葉を神から直接聞かせていただきましょう。過去に読んだ聖書の御言葉が、すでに私たちのこころに植え付けられています。その御言葉をあらためて受け取るときに、私たちは神の言葉を聞くことができるのです。
激しく揺れ動く地に対し、私たちは「地よ揺れよ、勝手にわめけ」と微動だにせず、神の愛の御手によってしっかりと握りしめられている平安を実感させていただくことを願いましょう。どんなことが起ころうとも、神と私たちの関係は決して揺らぐことはありません。私たちが神と結んだ契約によって、天地を創造された父なる神の愛は、決して私たちから離れることはないのです。
牧師 : 宮本幸男