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説教要約2024/8/25「愛を止めないで!」

「愛を止めないで!」

イザヤ52:7~10

使徒言行録11:1~18

 

 ユダヤでは律法によって異邦人との交流が制限されていたにも関わらず、使徒ペトロはカイザリアの異邦人と親しい交流をして、彼らを救いにまで導きました。当然のことながら、ペトロの行動はエルサレム教会の大部分を構成するユダヤ人信者から「律法違反」だと非難されます。そこでペトロは、自分の行動にはっきりとした理由があることを証明するため、事の次第を順序正しく説明していきました。

 

 その中でペトロは、かつて復活されたイエスが自分たちに現れた時に「ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられる」と約束されたことを人々に思い出させました。そのペトロの言葉を聞いた人々は、あの時のイエスの約束が異邦人にも成就したことに気づき、神を賛美することができました。

 

 それまでにキリストの霊である聖霊がすでにエルサレム教会の一人ひとりに宿っていました。彼らの心の中には「すべての人々が救われて欲しい」とのキリストの愛があったことでしょう。しかし、最初に彼らはペトロの行動を正当化する理由というものが全く分かりませんでした。けれども、彼らはペトロの弁明を聞いて、その理由を見つけることができたのです。異邦人を愛し、教会の仲間として一緒に生きる理由、自分の内にあるキリストの愛を止めてはならない理由が分かったのです。

 

 様々なしがらみを抱えて生きる私たちも、このキリストの愛にあこがれる気持ちをずっと持ち続けたいと願わされます。私たちが持っている常識や正義を乗り越えることは、現実には難しいことかもしれません。しかし、リスクがあるからやらない理由よりも、それでも愛を行う理由を探し続けていたいと思います。そして、私たちが自分の意思で行うことではなく、神が愛をもってなさること。また、私たちの内に宿るキリストの愛によって、私たちが突き動かされて起こっていくことに期待させていただきましょう。

牧師 : 宮本幸男

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