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説教要約2024/6/16「聖霊の息吹を」

ヨハネによる福音書20:19-23 

 「聖霊の息吹を」

 

 今日与えられた聖書の御言葉はヨハネによる福音書から、「イエス、弟子たちに現れる」という小見出しのついた所になります。イエスの受難から3日。イエスを殺され、次は我々ではないかと、弟子たちは恐れ、閉じこもっていました。

「あなたがたに平和があるように」 

 そう声を掛けられた弟子たちは、入って来た人物に注視します。差し出された手と脇腹、そして、その声からイエスだと分かり、喜びを表します。喜色を浮かべる弟子たちにイエスは再度言葉を投げかけます。 

 

 イエスは、「父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす」 

と、派遣の言葉を伝えます。そして弟子たちに息を吹き込みます。創世記のエデンの園の物語において。神がアダムに息を吹きかけ、命を与えたように、イエスは、弟子たちに新たな命を与えます。 

「だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」 

この言葉も、イエスの派遣の言葉です。この言葉は、赦すという意味だけでなく、外への宣教の言葉として代々受け取って来ました。

 

 イエスが与える聖霊。この霊は、私たちと永遠に共にいて、導いてくださいます。この霊は、私たちに全てを教え、イエスのことを思い出させてくださる。この霊との出会いを、ドイツの神学者であるブルトマンは、イエスの再臨の出来事なのだと説明しています。 

 イエスの再臨、イエスとの再会は、私たちを外へと連れ出してくれます。閉じこもる弟子たちのもとに現れたイエスは、弟子たちを外へと派遣していきました。

 

 コロナの5類移行からもう1年。私たちは、普通に教会に集まり、讃美歌を歌うという生活を取り戻しています。早々にこの普通を取り戻した私たちは、外への活動へと導かれています。皆で聖書を読み、互いに祈り、また皆で食卓を囲む。それを地域の皆と共に行う。そこでは皆の内にある聖霊の働きが生かされているものと思います。その聖霊の賜物がイエスの名によって与えられていることに感謝して、交わりを続けていきたいと思います。

神学生 : 坂本子龍

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