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説教要約2024/6/9「聖霊の慰めを受けて」

「聖霊の慰めを受けて」

ヨエル書3:1~5

使徒言行録9:19b ~31

 

 ユダヤ教のファリサイ派に属するサウロは教会を迫害する中心として働いていました。しかし、復活のイエス・キリストと出会ったことで回心し、今度は、海外の異邦人社会に教会を建てていく先駆者となっていきます。

 

 そのような過程の初期の段階で、サウロは前にいたファリサイ派の仲間だけではなく、教会の人々からも強く否定される時期がありました。彼は偏見に傷つき、四面楚歌の状態に落胆していたことでしょう。サウロがアラビアに滞在したことがガラテア書に書かれていますが、彼は自分のことを何も知らない人たちのところに行って、人生をやり直そうとしたのかも知れません。

 

 しかし、彼はアラビアの地で、「自分が他人の思いを変えることが出来ないこと」、また「自分の過去を神さまが赦し、受け入れてくださっていること」に気づかされたのでしょう。そのような「聖霊による慰め」と、「聖霊による励まし」という翼を受けたサウロは、自分の使命を果たすためにダマスコに戻りました。そして、彼の前に不思議なようにして、エルサレムにいた使徒ペトロたちと和解する道が開かれ、彼はさらに強い翼を受けていくことになります。

 

 歓迎できない出来事がいくつも降りかかることによって、思い通りにならないのが私たちの人生です。それでもこの世に神に愛されて生まれてきた自分の可能性をあきらめず、たとえ小さくても、聖霊から与えられる翼を広げて飛び立とうとすることが大切です。

 

 どんなことが起ころうとも、私たち一人ひとりは神さまから愛されて、この世界に生み出され、守られている存在であることは永遠に変わることはありません。私たちも聖霊の慰めと励ましという翼を受けて、どんな状況の中でも鷲のように高く飛ぶことのできる人生を、いつも夢見て歩んでいきましょう。

牧師 : 宮本幸男

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