「もうすぐ生まれ変わります」
レビ記25:1~12
使徒言行録9:10~19a
サウロはエルサレム教会に対する激しい迫害の先頭に立って実行した人物です。しかし、彼は聖霊によって新しく生まれ変わった結果、イエス・キリストの福音を宣べ伝える器に変えられていきました。けれども、サウロは彼が積み上げてきたことをすべて捨てて、新しく生まれ変わっていったということではないようです。
サウロが今まで積み上げてきたものの一番上に、「イエスは神の子」であり、「イエスは主である」という理解が加わった時に、彼が探し求めていた信仰が完成しました。実にサウロは、人生の中で長い準備をさせられてきて、ある一つのことがきっかけでいっぺんに引き上げられたのです。
同様に、私たちがこれまでの人生の中で得た知識や、過去の失敗を含む経験の上にも聖霊が働き、新しく生まれ変わることもあるのです。
そして、サウロを生まれ変りに導いたのは、復活の主イエス・キリストの御言を聞いて、聖霊の働きを忠実に取り次いだダマスコに住むアナニアでした。彼は無名のクリスチャンでしたが、主がアナニアの名を呼び、アナニアが「主よ、ここにおります」と応答した時から、神との間に親密なコミュニケーションが始まりました。そのコミュニケーションによって、アナニアも選ばれた器と変えられていき、彼はサウロを生まれ変わらせるきっかけを作ることができました。
すべての人が神から名前を呼ばれ、応答していく中で選ばれた器になる可能性を持っています。歴史を変えたサウロという器も、彼を助けた無名なアナニアという器が用意されなければ、歴史を変えることは出来なかったことでしょう。私たち一人一人は多かれ少なかれ、神によって生まれ変わらされ、神の御業に協力する器となるように召されているのです。
牧師 : 宮本幸男