説教要約2024/5/12「共にいます」

第二テモテ1:3〜5

「共にいます」

 

 この手紙の宛先であるテモテですが、意外と聖書に出て来る人物です。新約聖書は27の書物で構成されていますが、テモテはそのうちの12の書物に登場しています。テモテは使徒言行録の中でパウロの弟子となり、共に行動し、パウロの建てた教会を任されていきます。パウロはテモテのことを信仰による誠の子、と呼ぶほどに信頼しているようです。

 

 テモテに教会を任せ伝道旅行を続けるパウロが出したこの手紙で、パウロはテモテを思い起こし、テモテに会いたいのだと伝えています。祈りの中で絶えずテモテの純粋な信仰を思い出し、感謝していると。その信仰はまずテモテの祖母ロイスとエウニケに宿り、それがテモテにも宿ったのだとパウロは確信して語ります。

 

 テモテはギリシア人の父と、ユダヤ人の母・祖母を家族に持ちます。テモテは自らの祖母と母の信仰を受け継ぎクリスチャンとして育ちました。父についての言及はないので分かりませんが、当時キリスト教信仰の多くは女性によって支えられており、テモテの家族も母親から信仰を継承していました。

 また「信仰とは見えないことを確信すること」というヘブライ人への手紙の言葉のように、愛する子テモテを見て、信仰を確信したパウロはテモテへの確信から信仰を深めているように思います。信仰を受けとり、また与えられるという関係が彼らの間には会ったのでしょう。

 彼等の時代から2000年。私たちにまで彼らの信仰は受け継がれてきました。今の私たちは多くの人との交わりの中で信仰を受け継いでいます。母や祖母といった家族との交わり、友人や先生、そして教会の皆との交わりの中で信仰を受け継ぎ、共有してきました。

 

 この信仰を通して、私たちは永遠の永遠の命に与っているのではないかと思っています。私は、受け取った物を通して、離れていても「共にいる」感覚を持っているのです。私たちの信仰が、パウロとテモテ、母や祖母のように受け継ぎ、共有し、伝えていくものでありたいと願います。

神学生 : 坂本子龍

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