「人生の暗闇の中で見る光」
イザヤ55:1~11
ルカ24:1~12
神がイエス・キリストの復活の御業をなされたのは夜が明ける前の暗いうちでした。このことは、私たちの人生の暗闇の状況の中においてでも、神は確実に働いておられることを示してるようです。しかし私たちはそれに気づくことがなかなかできません。それは私たちの心が暗闇に覆われ絶望する中で、そこに起こっている神の働きを信じようとしなくなるからです。
そもそも私たちはなかなか復活を信じることができません。また、信じられたところで、天国に行ってみなければ、それを味わえないのかも知れません。けれども、当時のイエスの弟子たちは、この世に生きているうちに、その素晴らしさを味わうことができました。そして、命がけでイエス・キリストの福音を宣べ伝える者に変えられ、福音は世界に広がっていきました。実に、弟子たちは闇の中に神の働きを見出し、希望を持って歩むことによって、豊かな実を結ぶことができたのです。
その弟子たちのように、イエス・キリストの復活を信じて生きる人は、自分の人生の暗闇の中に、神の大いなる働きを見出して安心することができます。なぜならば、イエスの復活と同じように、自分の復活を信じる信仰が与えられるからです。その信仰は暗闇の中においてでも、希望と慰めの光を見ることを可能とさせます。
それを示す言葉として、ヨハネによる福音書の冒頭に「光は闇の中で輝いている。」という御言葉があります。さらにその後には、「闇は光を理解しなかった」と続いています。この「光を理解しなかった」とは、「光に勝たなかった」とも訳せる言葉です。
苦難の中で神が私たちに見せようとしているのは、闇のほうではなく光の方だと信じましょう。その光は復活を信じる信仰の目を凝らせば見えてくるのです。その光を見ることができるならば、たとえ出口が見えない困難な問題に直面しようとも、決して自分の人生をあきらめることはないでしょう。その人は暗闇の中で目の前の希望の光に導かれつつ、やがて豊かな実を結ぶ人生のステージに招かれていくのです。
牧師 : 宮本幸男