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説教要約2024/2/11「わたしの霊をお受けください」 

「わたしの霊をお受けください」 

ダニエル書7:13~14

使徒言行録7:54~60

 

 ユダヤ最高議会の裁判の場で、被告人ステファノの弁明の言葉を聞いたユダヤの人々は怒りました。そのとどめの言葉は、「天が開いて、人の子が神の右に立っておられるのが見える」との言葉でした。その言葉をきっかけとして、人々はステファノに襲いかかり、石打の刑に処したのです。

 

 この「立っておられる」というのは、最初の殉教者ステファノを迎え入れようと立っておられた主イエス・キリストです。いつもは神の右に座しておられると表現されている主でありますが、恐れを捨てて従順に神に従ったステファノに対しては特別でした。主はまさに立ち上がって両手を広げ、ご自分のもとに迎え入れようとしておられたのでしょう。それが分かっていたステファノだからこそ、「わたしの霊をお受けください」と祈ることができました。

 

 さらに彼は、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」とも祈りました。このように、人を赦して、執りなしの祈りをすることは、私たちにとって簡単にはできないことです。それは、頭で十字架の意味を知っているだけにとどまってしまっているからなのかも知れません。けれども、主の十字架によって罪を赦され、救われたのは私自身だとハートで気づくところに、人を赦し、他人の罪を執りなす祈りが生まれます。

 まさに、両手を広げて受け止めてくださる神を信じて、「わたしの霊をお受けください」と、すべてを明け渡すことが大切なのです。それができるならば、私たちは頑な心から、神の愛と恵みによって、自分の罪を認められる自由な心へと変えられていきます。

 

 神は私たち一人ひとりのために立ち上がってくださるお方です。これからも、自分力ではどうすることもできない問題に直面するとき、私たちの方から「主よ、どうぞ立ち上がってください」と祈ることをも忘れないようにしましょう。

 牧師 : 宮本幸男

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