「あなたにも天使が訪れる」
ダニエル10:1~21
使徒言行録5:17~26
大祭司とサドカイ派の一派は、民衆に大きな影響力を持ち始めている使徒たちのことを聞き、「ねたみ」に満たされていきました。そして使徒たちを捕えて公の牢に入れます。しかし、夜中に天使が牢の戸を開け、使徒たちを外に連れ出し、「行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい」と告げました。
神は「ぱっ」と、一瞬のうちに御業を進める方ではありません。人間を遣わし、人間と共に力を合わせて、この世界にご自分の御業を進める方なのです。また、天使とは人間に「神の愛」と「神のことば」を届ける働きをする存在です。ひょっとしたらこの時も、神の御心を知る人間が、天使として遣わされたのかも知れません。
そして、誰でも自分の過去を振り返るならば、自分のために神が遣わしてくださった「天使」と呼べる人がいたのではないでしょうか。あの時、あの人が、絶妙のタイミングであのことを教えてくれた。あれが自分の人生をより良きものに変えていった。そのような天使の存在を思い出すかも知れません。
また、私たち一人ひとりには、天使が使徒たちに告げたように、「行きなさい」と言われて、行くべき道があるのだと思います。自分の殻に閉じこもっているならば、その道に気づくことはできません。天使の告げることばによって、自分の殻を打ち破り、一歩踏み出して行く時に、自分の使命というものが分かっていくのです。
私たちは互いに愛し合うべき存在です。突然、私たちのところに、神からの天使が訪れる時があるように、私たちもまた、「神の愛」と「神のことば」を届ける天使となって、誰かのところに遣わされて行く時があるです。
宮本幸男