イザヤ9:1~6
使徒3:11~16
「信仰があなたを救う」
ペトロとヨハネは、エルサレム神殿で物乞いをしていた、障がいを持った男を立ち上がらせ、歩かせる奇蹟を起こしました。それは、生まれながらに足が不自由であることをよく知られていた男でした。そして、人々は躍り上がって歩いているこの男の姿を見て驚き、ペトロたちの周りに一斉に集まって来ました。
すると、ペトロは集まってきた人々に向かって、「イエスの名が強くしました。それは、その名を信じる信仰によるものです。イエスによる信仰が、あなたがた一同の前でこの人を完全にいやしたのです」と、その奇跡についての説明を始めます。ペトロは自分の力や信心によって、この人を歩けるようにしたのではなく、「復活のイエスが、この歩けなかった男を歩けるようにした」ことを証したのでした。
ここでペトロは、男を癒したのは「イエスの名」の力であると言っています。というのは、当時の人々は名前を「その人そのもの」と考えました。たとえその場にその人がいなくても、その名を知っていれば、その人がいるのと同じ力が発揮されると信じられていたのです。
また、ペトロはここで、「イエスによる信仰」がこの男を癒したとも言っています。一体、信仰が人を癒すとはどういうことなのでしょうか。それは、この「信仰」を「イエスを入れる器」と考えれば良く分かるように思います。
すなわち信仰とは、イエスを救い主として全面的に信じ、受け入れる「心の器」なのです。どんなにイエスに力と愛があろうとも、それを受け入れる器がなければ、イエスが私たちの内側で働くことはありません。つまりペトロは、この癒された男がイエスの名を信じ、自分自身の中にイエスの全存在を受け入れたことによって、イエスの力と愛によって救われたと語ったのです。
私たちも、いつも自分自身の中にイエスがいてくださるよう、広い心の器を用意するように心掛けたいと思います。イエスを救い主として信頼する器、イエスの力を信じる器、どんな問題をも解決するイエスの愛を入れる器。イエスが100%働く器。そのような無限の心の器を持てるよう、共に祈り求めてまいりましょう。
宮本幸男