「豊かな交わりの回復」
詩編133:1~3
ローマ12:3~18
香櫨園教会の2023年の聖句に選ばれたのは、「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」です。この御言葉が選ばれたのは偶然ではありません。神はこの教会に、「今年一年を、この御言葉に本気で生きてみよう。」と語りかけています。父なる神という存在は、いつも人間への語りかけを、親心である聖霊を送って気づかせようとしているのです。
私たちがこの御言葉を実行することは易しいことではありません。また、この御言葉を聞くときには注意が必要です。なぜならば、「無理に何かをしなさい」という世界に入ってしまうからです。私たちは自分で出来るところまでやって、あとは神にお任せすれ良いのに、最期まで自分でやろうとして失敗し、自分自身に失望してしまうのです。
そもそも私たちの内には2つの性質があることを聖書は語ります。一つは古い性質です。この御言葉を自力でやろうとすると、古い性質が目を覚まして活動するようになります。その時に神の望まない頑張り型の人間になってしまいます。
もう一つの性質は新しい性質です。それは神を信頼してすべてを安心しておゆだねしようとする性質です。イエス・キリストを救い主と信じた時に、すべての人にこの新しい性質が与えらます。この古い性質と新しい性質が常に私たちの中で戦っています。そして、新しい性質が勝利するときに、この御言葉を実行することが可能となっていきます。
そうなるために、聖霊はいつも私たちの新しい性質に働きかけています。その一つの働きは、私たちの心を父なる神の御心に向けることです。「天の父がこのことを喜んでおられるなら、私も喜べる。天の父が悲しんでおられるなら、私も悲しむ。」というように、私たちが天の父の思いに寄り添うようにさせるのです。
イエス・キリストは父なる神の思いに寄り添うことによって、この地上の生涯を勝利されました。私たちも父の思いに寄り添いながら、聖霊からいただく愛の力により、豊かな交わりをこの世界に実現していきましょう。
宮本幸男