· 

説教要約22/4/24「あなたは私の夢です」

民数記13:17~33

ヨハネ福音書20 :19~31

 「あなたは私の夢です」

 

 イエスの弟子たちは、捕らえられたイエスを裏切り見捨てて逃げました。その後、彼らはイエスを十字架にかけて処刑したユダヤ人たちを恐れ、自分たちのいる家の戸に鍵をかけて閉じこもっていました。復活したイエスはそこに突然入って来られます。しかしイエスはご自分を見捨てて逃げた弟子たちを厳しく叱ることはしませんでした。むしろ彼らの真ん中に立ち、万感の思いを込めて、彼らを赦して愛していることを伝えます。弟子たちはイエスが自分の気持をすべて分かっていて、すべて赦し受け入れてくださっていることを知りました。そして彼らはイエスに神の慈しみを感じたのでした。

  

 イエスが弟子たちに現れた目的は、単に彼らに赦しや愛を伝えるだけではありません。続いてイエスは彼らをイエスの教えを世界に伝えるために遣わします。それは弟子たちがイエスに赦された時に経験した「赦しと愛の世界」を伝えることでした。そこにあるのは、神が人を赦し、人と人が赦し合う関係が、神の支配する世界には必ず生まれるという希望です。イエスは神の支配する平和な世界がやがて完成されるという、父なる神とご自分の夢を、弟子たちに託されたのでした。

 

 そのような夢を託されているのは何もイエスの弟子だけではありません。実はあなたにも託されているのです。神はあなたをどうしても愛したくてこの世に生んでくださいました。そして一人ひとりにこの地上での人生を与えてくださっています。一人ひとりの人生が違っているのは、神が違った夢を一人ひとりに託しているからです。その中には、辛いことを一人で背負わなければならないように思える人生もあるかもしれません。けれども、十字架という最も深い絶望を経験されたイエスご自身が、あなたの辛い気持ちをすべて分かってくださっています。そして人生の重荷を一緒に担いでくださり、その辛さを喜びに変えようとされているのです。

なぜそこまでするかというと、明日の希望を信じて生きている、あなたという存在自体が神の夢だからです。

宮本幸男

HOME