ルカ福音書 11:33~36
「神様との約束」
阪神淡路大震災の前年4月に広島から西宮に戻ってきました。一ヶ谷の社宅に入居し、貸していたマンションのリフォーム工事を1月17日から始め3月末に引っ越す予定でいました。早朝大揺れした地震で家具は倒れましたが、家族にケガはなく安心しました。翌朝、阪急電車が西宮北口から梅田まで動いているのを知ると、損害保険会社勤務の夫は徒歩で、北口まで行きました。途中大きな家やアパート、マンションの倒壊を見、梅田に着くと日常がある事にショックを受けたと言います。その日から1週間後に千里の職場で倒れ、吹田の循環器病センターに運ばれ緊急手術を受けました。心臓の図を描き先生が病状を話されますが、頭には入ってきません。9割難しいと言われた言葉だけが残っています。
朝9時半ごろから手術に入りました。待機室にいる間「子どもたちはまだ中学生です。神様、夫を助けてください」とひたすら祈りました。祈っている時、フッと香櫨園教会の建物が頭に浮かびました。地震前の古い建物です。
「神様、夫を助けてください。生かしてください。助けていただいたら教会に通います。どうかこの願いを聞いてください」と祈りました。
夜10時前に手術は終わり先生の話を聞きました。途中何回も心停止した事、人工心肺装置を使って上行大動脈や脳への血液を送る弓部大動脈も人工血管に、急性解離性大動脈瘤と話されましたが助けていただいた感謝しか私にはありませんでした。退院後、自宅療養中の夫に「神様との約束だから教会に行きます」と言ったのでは?と思います。
まだ壊される前の古い教会での礼拝、YMCAを借りての礼拝に参加しました。教会の為に教会員の方々、全国からの献金、多くの努力の上に新しい教会が建ちました。私は2000年のクリスマスに洗礼を受けました。「欠けの多い私が洗礼を受けて良いのか?」という思いもありましたが、古河先生は洗礼式の後、新しい聖書を下さり「栗原さん、これからが始まりですよ」と言われました。
まだまだ祈りも信仰心も浅い私ですが、この教会の一員とさせて頂いている事、私の為に祈って導いてくださった方々に感謝しかありません。自分の死を覚悟したであろう夫に「あんたは俺が死んでも教会に友の会にと忙しいだろう」と言われました。与えられた命に感謝し、教会生活を守りたいと願っています。
T.栗原