西宮市民オペレッタ劇団「ぐるっぽユーモア」の代表を、私は昨年より務めています。「ぐるっぽユーモア」について少しお話しいたします。
私たちの劇団は、震災直後の平成7年に設立されました。「アマチュアだけで手作りオペラを公演しよう」と、現在は21名のメンバーで、毎週金曜日の午後集まり練習に励んでいます。
メンバーの多くは、一家の大黒柱?の主婦陣ですが、現役ドクターやビジネスマンなど、バラエティーに富んでいます。みんな歌うことが大好きな人間です。
全員アマチュアですので、設立当初はやさしいミュージカルなどからスタートしました。少しずつ本格的オペラに取り組みましたが、難しいところは私たちに歌えるように編曲していただきました。「ぐるっぽユーモア風」アレンジによる公演を21年、続けてきました。
これまでの主な公演は、魔笛、フィガロの結婚、天国と地獄、ウインザーの陽気な女房たち、メリー・ウイドウ、こうもりなどです。
歌唱・演出指導は、設立当初から岡崎よしこ先生です。「ぐるっぽ」の夢は、歌はアマチュアでも、音楽お芝居の大好き人間が集まって楽しい時間を共有することです。今ではファンも出来るほどになりました。
さて、平成28年5月、西宮市からの要請で、高知県梼原町(ゆすはら) の芝居小屋で「こうもり」を披露しました。以前から西宮市と梼原町は行政のみならず、市町民間の交流が盛んですが、芸術文化グループの派遣の一環として西宮市から出張公演を依頼されたのです。ちなみに、梼原は幕末、坂本龍馬が土佐藩から脱藩した際、土左から伊予大須へ抜ける山道を歩んだそうですが、その途上にあることで有名です。
歓迎会の席上で、梼原町職員のM.KさんとK.Kさんと知り合いました。そして、次回はオペラを西宮で一緒に歌おうと意気投合。二人の友情出演を、梼原町長さんへお願いしたところ、「西宮と梼原の交流のためにならぜひ送り出しましょう」と快諾して下さいました。
とはいえ片道5時間かかる長距離。二人との合同練習はリハーサルの一回のみで、本番公演を迎えることになりました。演目はオペレッタ「薔薇の館の物語」です。
平成29年3月28日の公演当日は、観劇に梼原町長、副議長はじめ町職員4名が遠路はるばるお越し下さいました。お迎えには西宮市長、副市長、文化財団理事長が来席して華やかなスタートになりました。思いもかけないご縁に感謝しています。
オペレッタの中では、孤児役の私の台詞に「神様、感謝します」という箇所があり、私は心を込めて歌いました。心から神様に感謝した一日でした。
(Y.S)